夏に海水浴やプールなど行く際にはほとんどの方がしっかり日焼け対策をしていると思いますが、冬にゲレンデへ行く際にはどうでしょうか?
雪に反射した紫外線の照り返しで日焼けしてしまうことを「雪焼け」といいます。
冬は日差しが弱いのであまり日焼けの心配をしていない方は多いかもしれませんが、実はゲレンデに行くと夏場の2倍近い紫外線を受けることに…。
今回当記事では、そんなゲレンデでのおすすめの日焼け対策についてご紹介していきたいと思います。
油断は禁物!ゲレンデの紫外線について
冬の紫外線量は少ないが…
冬は夏に比べて紫外線量が少ないから、日焼けの心配なんてないんじゃ…?と思っている方多いと思いますが、実際夏の紫外線量と比べると少ないのは事実です。
2021年度 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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UVインデックス値 | 1.9 | 3.0 | 4.0 | 5.4 | 5.7 | 6.5 | 6.7 | 6.8 | 4.9 | 3.6 | 2.4 | 1.7 |
一番紫外線量が多いのは8月で6.8、最も少ないのが12月で1.7という結果に。8月と12月を比べてみると1/4の量になっていますね。
上記を踏まえると「冬は紫外線量が少ない」ということは分かりましたが、安心してはいけません!日焼けの原因は他にあるんです!
雪面からの照り返しで焼ける
日焼けの原因は太陽からの直射はもちろんですが、他にも原因はあります。
ゲレンデは一面真っ白な雪に覆われていますよね。この雪に反射した紫外線も大量に浴びるので、真冬でも日焼けをしてしまうんです。
照り返しによる紫外線量は直射日光の2倍、夏の海水浴の約2.5倍もの紫外線を浴びることになるんだそう…。
紫外線の反射率は以下の通りです。
新雪 | 80% |
砂浜 | 10〜25% |
アスファルト | 10% |
水面 | 10〜20% |
草地・土 | 10%以下 |
参考 気象庁ホームページ
上記の反射率を見て分かるように、新雪は80%と格段に高い数値になっています。コンディションの悪い雪でもなんと40%以上もあるそうです。
さらに、標高が1,000m高くなるごとに約10%紫外線が上昇するといわれています。標高が高くなる分太陽に近づくことになるので、紫外線を浴びる量も増えるというわけです。
もはやゲレンデでは季節や気温は関係ないことが分かりますね。
曇りでも紫外線量は多い
晴れているときはもちろんですが、曇りでも実は紫外線の量はあまり変わりません。
快晴時と比べると、うす曇りは約80〜90%、曇りは約60%、雨の場合でも約30%ほどの紫外線量なんだそうです。
さらに雲の間から太陽が出ているようなお天気。ゲレンデでは雪は降っているのに日差しはあるなんてことよくありますよね。この状態は、雲からの散乱光が加わるので快晴時よりも紫外線が多いこともあります。
そのため、曇りのときでもしっかりとUVケアをする必要があるというわけです。
眼も日焼けする
日焼け止めはバッチリ塗ったから大丈夫!かと思いきや、実は紫外線は眼にも影響を及ぼします。紫外線の照り返しによって目がしみたり充血したり、ひどくなると角膜炎や白内障などの目の病気に繋がることも…。
そのため、裸眼でスキー場に居続けるのは目にとってよくありません。
目を保護するためにも、ゴーグル・サングラスを着用してスキー・スノーボードを楽しむのがベストですよ。
ゲレンデでの日焼け対策について
基本的に夏場にする日焼け対策と変わらず、「日焼け止めを使う」と「露出を減らす」の2点になります。
これらを踏まえて、ゲレンデでの日焼け対策をメリット・デメリットも併せてご紹介します。
日焼け対策 | メリット | デメリット |
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日焼け止め(クリームタイプ) | 保湿力が高い UVカット効果が持続しやすい 密着度が高い | 白浮きしやすい 伸びが悪い 落ちにくいのでしっかりとクレンジングをする必要がある 油分が多いので肌荒れに注意が必要 |
日焼け止め(ジェルタイプ) | 伸びが良い ベタつきがない | 水・汗に弱い 刺激が強い成分が配合されている場合あり |
日焼け止め(ローションタイプ) | のびが良い 厚塗り感がない 肌に優しい | SPF・PA値が低いものが多い 水・汗に弱い |
日焼け止め(乳液タイプ) | 密着度が高い 伸びが良い 敏感肌の方も使いやすい | ベタつき・白浮きしやすい 油分が多いので肌荒れに注意が必要 |
日焼け止め(スティックタイプ) | 密着度が高い 手軽に塗り直しができる サラサラな使用感 | 凸凹したところは塗りにくい |
日焼け止め(ミストタイプ) | メイクの上からできる 塗り直しが簡単 ベタつきがない 髪にも使える | ムラになりやすい 周囲に飛び散る |
日焼け止め(飲むタイプ) | 水や汗で流れ落ちない 塗り直す必要がない 目から入る紫外線もバリア 肌が弱い方におすすめ | 即効性がない 効果が分かりにくい |
UVカットコスメ | メイクと併用できる | 厚塗りになってしまう 水や汗で落ちる 肌に負担がかかる |
ゴーグル(UVカット) | 着用するだけで紫外線を防げる 目の保護、視界が良くなる | パンダ目の心配がある 汗で蒸れたり曇ったりする |
ニット帽・ヘルメット | 転倒時頭部を保護してくれる 頭部の日焼け、防寒対策になる | ニット帽:防御力が低い ヘルメット:かさばる |
バラクラバ | 顔や首元の日焼け・防寒対策になる | 髪の毛がぺったりして癖がつく |
リップクリーム(UVカット) | UVカット効果のあるリップクリームを塗るだけで紫外線を防げる 保湿ケアできる | 取れやすいので度々塗り直す必要がある |
日焼け止め ⇒ ◎
ゲレンデでは、空からの紫外線+雪面に反射した紫外線を大量に浴びます。そのため露出している肌には日焼け止めをまんべんなく塗るようにしましょう。
顎の下や首元、まぶた、耳などは忘れがちなのでしっかり塗ってくださいね。
なお、日焼け止めは2〜3時間おきに塗り直すのが効果的。紫外線を強力にカットするタイプやウォータプルーフタイプでも日焼け止めの効果はどんどん薄れていくのでしっかり塗り直しましょう。
また、SPFやPA値が高いものほど肌への負担が増えます。
肌荒れ防止のために滑り終わったら日焼け止めを洗い流してしっかりと保湿をするようにしてくださいね。
基本中の基本なので、しっかり塗りましょう!
UVカットコスメ ⇒ ◯
UVカットコスメは日焼け止め効果もある乳液やクリーム、化粧下地、フェイスパウダーなどなど様々あります。
そのため、メイクと併用して使える紫外線対策になっています。
ただ、汗や水、着脱時に取れてしまうのは日焼け止めと同じです。こまめに塗り直す必要がありますが、何度も塗り直すとメイクのヨレが懸念されます…。
ミストタイプの日焼け止め ⇒ △
顔や身体、髪の毛までも手軽に噴射して使える日焼け止め(商品による)。
液体タイプの日焼け止めと違って手が汚れませんし、メイクの上から使えるものもあります。
ただムラになりやすく、やりすぎると乾きにくかったり白くなってしまうものも…。
速乾性があってすぐにサラサラになるものもあるので、購入する際にはどんなタイプのものか確認してから購入するといいでしょう。
ゴーグル ⇒ ◎
目に大きなダメージのあるゲレンデの直射日光や反射光からも守ってくれるアイテムです。ゴーグル(UVカット)を着用するだけで紫外線を防ぐことができます。
ただしゴーグルに頼りすぎると、ゴーグル跡がくっきりと残る『パンダ焼け』になる危険があります。
そのため、顔には日焼け止めも併用してしっかり顔全体に塗るようにしてくださいね。
バラクラバ ⇒ ◎
バラクラバはいわゆる「目指し帽」といわれる防寒具です。頭から首まで覆い目元部分だけが開いているので、寒い雪山では大活躍です。
顔にフィットし、帽子やネックウォーマーとは違い隙間がないので頬や耳元もしっかり覆うため保温性があります。また速乾性があるタイプも多いので、汗をかいても群れにくいです。
ゴーグルとバラクラバを併用することで顔や首全てを覆い隠すことが可能なので、日焼け対策効果は抜群です。
フェイスマスク・ネックウォーマー ⇒ ◯
首元を防寒してくれるネックウォーマーと顔から首まで防寒してくれるフェイスマスク。
フェイスマスクやネックウォーマーは日焼け対策はもちろん、防寒対策にもなります。
通気性・保温性に優れているものがベストですね。天気に関係なく使えるので1枚持っておくと便利です。
帽子・ヘルメット ⇒ ◎
顔だけではなく、頭皮や髪の毛も日焼けをします。帽
子やヘルメットを被るだけで日焼け対策になりますし、転倒時にも守ってくれます。さらに防寒にもなるので一石三鳥ですよ。
よく帽子やヘルメットを一切着用しないで滑っている初心者の方を見かけますが、日焼けはもちろん転んだ際に怪我もしやすくなります。
最低限、帽子くらいは被って滑るようにしてください。
リップクリーム ⇒ ◎
見落とされがちですが、唇も顔や身体同様に日焼けをします。唇が日焼けすると乾燥してカサカサに…。ひどいと皮が剥けたり、ヒリヒリとしたりなどの症状もおきます。
日焼け対策としては、UVカット効果の高いリップクリームをこまめに塗ることが大切です。
それでも唇がカサつく場合、UVカットの効果が低いタイプかもしれません。紫外線を防ぐ能力が高いものは、SPF(紫外線B波)の数値が高いもの+PA(紫外線A波)の『+』の数が多いものになります。SPFの数値だけではなく、PA値にも注目して選ぶようにしてくださいね。
また寝る時には保湿力の高いリップクリームにすることで、プルプルな唇をキープすることができます。
唇も紫外線の影響を受けやすい部分なので、しっかり日焼け予防をしましょう。
日焼け後のアフターケアについて
日焼けをすると、肌は軽い火傷状態になっています。そのため、火照った部分を冷やす必要があります。
ゲレンデから帰ってきてシャワーを浴びると日焼け止めを塗っていてもヒリヒリすることがあります
水やぬるめのシャワー、タオルに保冷剤を包んだものなどでクールダウンさせましょう。赤みが引いてきたあとはとことん保湿をします。
紫外線によって水分が奪われた肌にたっぷりと化粧水を浸透させ、乳液でふたをします。さらに保湿美容液や保湿クリームを塗るのもいいですね。美白効果のあるフェイスマスクでの保湿も効果的です。
食事からビタミンC・Eを摂取すると、シミの原因となるメラニン色素の生成を抑える効果も…。
また、肌だけではなく髪の毛も紫外線によって乾燥します。滑走後はしっかりとトリートメントをして、オイルなどで保湿をするようにしてくださいね。
まとめ
ゲレンデ・スキー場での日焼け対策をご紹介しました。
冬は夏ほど日焼けの心配はないかと思いきや、まさかの夏場よりも紫外線によるダメージを受けやすいということが分かりましたね。
なので、滑る前には必ず『日焼け止め』を塗るようにしましょう。さらに、ゴーグル+バラクラバなどで日焼け対策をするようにしてください。滑走後はたっぷりと保湿をすることも大事です。
雪山へ行く際には後悔のないよう、しっかりと日焼け対策をしてスキーやスノーボードを楽しんでくださいね!